MeMeComposer1.0の体験版で 
2003.8
iWorld特集
「ムービー画面をリモコンで操作する」

このチュートリアルでは、MeMeComposerを使ってリモコンのボタンでディスプレイ画面上にムービー映像を出したり止めたりするインタラクティブなコンテンツの作り方を体験します。

まず初めにWebサイトからMeMeComposerとTurorial、Manualをダウンロードします。

■体験版の入手先はこちらを開き、右フレーム上のDownload Player/Manual欄をクリックして下さい。
中央のフレーム上に
MeMeComposerが出ます。

■体験版のダウンロード
左欄を参照してメタソフト社のサイトから体験版をダウンロードして下さい。
この体験版は 圧縮ファイルになっておりますので、お手元の圧縮解凍ツールで解凍後、アプリケーションをインストールします


ダウンロードしたMeMeComposer体験版は、作品の保存やHTML出力はできないようになっています。それ以外の機能は正規版と同じものが全て使えます。
正規版が必要な方はソフト電池が必要です。

■本チュートリアルはソフト電池に関係無くお使い頂けます。

MeMeComposerをご利用になる方へ

・MeMeComposer
はPDF形式のTutorialやリファレンスマニュアルで勉強できます。この特集で不明な場合はそちらをご参照下さい。
リファレンスマニュアルは、MeMeComposerを起動後、メインメニューのヘルプから呼び出すことができます。
・TutorialファイルはMeMeComposer本体とは別に起動して下さい。

Tutorial を始めるにあたり

1) 素材となるリモコンの筐体、ボタン類、ディスプレイなどの形状データはTutorialファイルの中に入っています。

2)部品(3Dオブジェクト)を 3Dビューの中にインポートする際、「意味のあるボックス」を仲介します。
(インテリジェントボックス)


3)MeMeComposerのメニュー類は日本語ですが、ボックス機能のポップアップメニューなどの一部に英語表記があります。

4)基本的な操作はツールバーのアイコン選択、または、メインメニューの「モード」の双方から選択可能です。

5)メインメニュー以外のウインドは移動したり、形状を変えることができます。

6)MeMeComposerの編集作業は全て3Dビューの中で行います。3面図はありません。

7)この3Dビューの空間はグローバル座標とローカル座標、視野の中心座標の3種類の座標で管理されています。

8)メインツールの「シーン」から「視野の切替」でグローバルと視野中心の各々で正面切替ができます。

9)3Dビューの空間でオブジェクトの回転、移動、拡大縮小などフリーと数値入力、絶対と相対、回転対象が選択できます。

10) オブジェクト同士の親子関係が作れます。

11)MeMeComposerはモデリングツールではありません。
また、現在のバージョンではUndo機能はありません。
1.MeMeComposerの基本インターフェース
図1.3Dビューの中をクリックしてボックスを新規作成

Tutorialを始める前にMeMeComposerのユニークな部分を理解しておきましょう。

1.MeMeComposerを起動すると、3Dビューの空間(図1の黒色の部分)の中央にボックスが1個表示されています。
■ボックスの色は起動毎に変わります。

2.ボックスに関連した操作方法

1)3Dビューの空間を右クリックする
  → 新規ボックスの追加など
  
2)ボックスの上を右クリックする
  →ボックスに機能を付加するなど

3.ツールバーなどは移動できますから、3Dビューの外部に移動させると画面が広く使えます。

4.ツールバーには初期状態で既に所定の機能が選択されていますので、不用意には押さないようにします。

5)MeMeComposer1.0では操作を戻すことができませんが、メインメニューから「視野の初期化」をクリックすると本来の初期状態 に戻ることができます。


6)環境設定: 3Dビューの背景色変更
「シーン」→「シーン環境設定」で「背景色」の上をクリックし、カラーピッカーで選択後、適用ボタンを押します。

7)グリッドを非表示
ツール起動時には
3Dビュー空間内の下部にグリッドが表示されます。

本チュートリアルでは不要ですから、メインツールの「シーン」→「グリッドの表示」のチェックをはずして画面を見易くします。

  図2. デフォルト状態から「視野の回転」と「視野の初期化」、(編集モード)


「視野の回転」と「視野の初期化」

1)初期状態ではX軸が右、Y軸が上、Z軸が手前を向いています。

2)ツールバーの帯部をクリックしてアクティブにします。

3)ツールバーの「視野の回転」とE(編集モード)が選択されていることを確認して下さい。

4)3Dビューの空間をクリックしたままマウスで円を描くようにドラッグしてみて下さい。

■この様に、3Dビューの空間をクリックしてドラッグすると視野を回転することができます。

■E(編集モード)が選択されている状態では中央のボックスを右クリックしてもアクティブになりません。
しかし、空間をクリックしてドラッグするとボックスも一緒に回転します。

5)中央のボックスを右クリックすると、ポップアップメニューが表示され、形状→ファイル→インポートで形状ファイルのあるフォルダにアクセスすることができるようになります。


■MeMeEditorでは操作を戻すことができませんが、メインメニューから「視野の初期化」をクリックすると本来の初期状態 に戻ることができます。



2.形状データの入力方法
■me_tutorialフォルダには(.wrl)形式の3D形状データがありますから、一つずつ選択してインポートボタンを押しますが、各々のファイルに対して対応するボックスが必要ですので、ボックスを一つずつ作りながら形状をインポートします。 me_tutorialのフォルダを開き、「ファイルの種類」でVRML Files(拡張子は.wrl)を選択すると以下の形状データがあります。
テレビ側 ディスプレイ、画面、
リモコン側 リモコン、一時停止ボタン、繰り返しボタン、再生ボタン、選択ボタン、停止ボタン
図3.形状のインポート

2−1.ディスプレイの枠の形状をインポートする
図4.ディスプレイ枠のインポート


■各部品には絶対座標での位置情報が入っていますから、インポートする際の画面操作には気をつけます。


1)メインメニューから「視野の初期化」をクリックしておきます。

2)3Dビュー空間の中央に表示されているボックスを右クリックし、形状→ファイル→インポートから、me_tutorialのフォルダを指定して、[
ディスプレイ.wrl]を読み込みます。

2)中央のボックスが ディスプレイの枠の形状と入れかわります。

3)この状態ではディスプレイの画面部分は抜けています。

■次に画面部分をインポートするためのボックスを入れる必要があります。次に、このボックスの入れ方を覚えましょう。

2-2.ディスプレイの画面部の形状を読み込むためにボックスを追加する
図5.ムービー画面用MovieBoxの追加方法

■ディスプレイは画面上に「映像(ムービー)を写す」という機能があります。

■MeMeEditorではこの機能をもつボックスを作り、次に平面形状をインポートすることで関連付けが行われます。

■ここではボックスを新規に作るとき、最初からムービー機能を付加する方法を学びます。

1)3Dビューの空間を右クリックし、メインツールの「ボックス」をクリックします。

2)3Dビューの空間をクリックしてポップアップメニューを出します。

3) 「ボックスの新規作成」→Multimedia→MovieBoxと選択します。

4)その結果、3Dビューの中央に新たにムービーを写す機能のあるボックスが表示されました。 (図6)


図6



2−3.画面(スクリーン)形状をのインポート
図7.インポートされた画面(スクリーン)


1)ボックスを右クリックします。

2)形状→ファイル→インポートを選択します。

3)「形状のインポート」ウインドが出ますから、me_tutorialフォルダから「画面.wrl」を選択して「インポート」ボタンを押します。

4)3Dビューに画面形状が表示されます。

■ヒント■
位置関係がわからなくなったときはメインメニューの中のシーンをクリックし、「視野の初期化」をクリックすると良いです。

 

2−4.リモコンケースのインポートと視野の調整
図8.リモコン用に追加された新規ボックス


■リモコンケースには形状以外に付加された機能がありませんからSimpleBoxを割り当てます。

1)3Dビューの空間を右クリックし、「ボックスの新規作成」でSimpleBoxを選択します。

2)中央に新たにボックスが表示されます。

3)ボックスを 右クリックして、ポップアップメニューから、 形状→ファイル→インポートを選択します。

4)リモコン.wrlをインポートします。

図9.インポートされたリモコンのケース


図10.視野の調整

5)インポートしたリモコンのケースには位置情報が付いており、ディスプレイの手前に大きく表示されます。

6)3Dビューの空間をクリックしてわずかに下向きにドラッグしてみます。

7)視野が変わり、リモコンの上部が見えるようになりました。(図10)

 

■必要に応じてライトを調整します。
メインメニューの「シーン」から「シーン環境設定」のポップアップメニューを出します。

■下部にある「変更を即座に反映」にチェックを入れます。

■環境設定でライトの環境光、鏡面光、拡散光、環境固定光の各バーを調整して、リモコンの明るさや溝の立体感が出るようにします。

2−5.リモコンボタンのインポート
図11.リモコン上にインポートされたボタン

   
(操作ボタンの位置)
繰り返し
 
選択
再生
停止
一時停止

1)3Dビューの空間を右クリックします。

2)これから再生ボタンをインポートするので、ボックスの新規作成→Tool→ButtonBoxを選択します。

3)3Dビューの中央にボックスが出ます。

4)ボックスを右クリックします。

5)形状→ファイル→インポートを選択します。

6)「再生ボタン.wrl」を選択します。

7)同様に、「停止ボタン」です。
ボックスの新規作成→Tool→ButtonBoxを選択します。

8)同様に「一時停止ボタン」

9)同様に「選択ボタン」

10)最後の「繰り返しボタン」の場合は、ボックスの新規作成→Tool→ToggleBoxを選択します。

11)ボタンを全部インポートすると左図のようになります。

3.リモコンボタンに画面操作機能をつける

リモコンの各操作ボタンの表示に対応した電気的な機能を付加するために、MeMeComposerでは「コンポーズ」と「結合」、「スロット」値の選定という概念を使います。

3−1.リモコンボタンへのスロット値の選定

図12.結合ダイアログウインド

1)「再生ボタン」の上を右クリックします。

2)ポップアップメニューの中からコンポーズ」を選択し、「画面」の上をクリックします。

 ■この操作を「
再生ボタンと画面がコンポーズする」と言います。
 ■表示上に変化はありません。

3)もう一度、 「再生ボタン」を右クリックしてポップアップメニューから「結合」を選択します。

4)左図のような「結合」というダイアログウインドが表示されます。

5)結合元は「ButtonBox」、スロットから「Command」を選択。

6)結合先のボックスは「MovieBox」、スロットからは「Play」を選択します。

7)結合ボタンを押します。

8)以上の操作を他のボタンでも行います。


表1.リモコンのボタンと結合スロットの関係
ボタンの機能
結合元
結合先
ボックス種別
スロットから選択
ボックス一覧
スロットから選択
再生
ButtonBox
Command
MovieBox
Play
停止
ButtonBox

Command

MovieBox
Stop
一時停止
ButtonBox
Command
MovieBox
Pause
繰り返し
ToggleBox
Value
MovieBox
Loop
選択
FileSelectorBox
FileName
MovieBox
FileName

3−2.ムービーのFileNameを指定
図13.ムービーファイルとボックスの結合

1)ボックスの新規作成からSystem→FileSelectorBoxを選択します。

2)3Dビューの中央に新たな
ボックス「FileSelectorBox」が表示されます。

3)このボックスを「画面」にコンポーズすると左図の結合ダイアログが出ます。

4)結合元のスロットをFileNameにします。

5)結合先スロットはFileNameです。

6)結合ボタンをクリックします。

図14.選択ボタンとファイル用ボックス

6)この状態でリモコンの「選択」ボタンをFileSelectorBoxにコンポーズます。
図15.選択ボタンとボックスとの結合(2)

4)この状態で選択ボタンをFileSelectorBoxにコンポーズすると左図の結合ダイアログが出ます。

5)結合先はFileSelectBox、スロットはSelectにして結合ボタンをクリックします。

3−3.画面の設定
図16.マテリアル
1)ディスプレイの画面を右クリックし、ポップアップメニューから「マテリアル」を選択し、マテリアルダイアログを表示します。

2)「テクスチャ」の「設定なし」をZ方向にして適用ボタンを押します。

3)ディスプレイの画面が黒色に変わります。
3−4.ディスプレイの画面上に動画をマッピング
図17.me_tutorialからのファイル選択

1)リモコンの「選択」ボタンをクリックします。
2) するとファイル選択ダイアログが表示されます。

3)me_tutorialフォルダの中にある動画ファイル、butterflyを選択します。

3−5.ムービーファイルを表示します。
図18.ムービーファイルの再生


図19.不要な座標軸表示などの削除


4)再生ボタンをクリックするとディスプレイの画面上にムービーが再生されます。

5)リモコンの一時停止、停止ボタンを押して動作を確認します。

6)FileSelectorBoxが見えていますので、右クリック→表示属性→Visibleのチェックをはずします。

7)メインメニューのシーンからグローバル軸、ローカル軸、視野中心のチェックを外します。

8)他のムービーファイルでもできることを試してみて下さい。


9)体験版では保存できませんのでこれで終了です。

大変 ご苦労様でした。

 

■本チュートリアルの完成品について

MeMeEditorまたはMeMeComposerを起動し、メインメニューの「ファイル」→「開く」で図17のme_tutorialfフォルダの中の「映像.ibc」を開いて下さい。

アイコンをダブルクリックすると白い画面のディスプレイとリモコンが出ますから、リモコンの選択ボタンを押し、ポップアップしたファイル選択からbutterflyを選択すると蝶のムービーが見られます。