5月3日(土)/快晴・暑い
今年も恒例の5月連休の山スキーである。今年は卒業生O嬢・S君・現役院生I君が参加、隊員総勢4名で、金山沢を滑ってきた。
4日はまさにドピーカンの快晴、黙々と登ること5時間で小蓮華登頂を果たしてから、金山沢の大滑降を心行くまで楽しんだ。12年前に行った時はまだ滑る人は殆どおらず、冒険スキーに位置付けられるコースだったが、現在ではシュプールだらけのゲレンデと化しており、ちょっと印象が変わってしまったのは残念。雪質にややてこずって心ならずも転倒したり、白馬大雪渓に合流する地点で雪が切れて難所を下るなど、かなりコクがあり、正直なところ相当疲れた。それでもこれだけの標高差の大滑降が可能なコースとしては類を見ず、正真正銘の大滑降を存分に楽しんだことは言うまでもない。
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5月3(土)/雨→快晴・暑い
今日は白馬駅から栂池スキー場、ゴンドラ・ロープウェイを乗り継いで、宿泊地の栂池ヒュッテへ移動して、明日の登山と大滑降に具えるだけ。
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全国的に晴天なのだが、東京だけは雨だから、家人に目黒まで車で送ってもらう。発車時刻の80分前ぐらいから並んだから、前の列車が行ったあとは列の先頭になって、無事座れた。車内はむろん満席だが、通路に合計20人ほど立っている程度で、松本を過ぎると空席ができる。
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しばし微睡んで、気付くともう快晴。架線柱の支線の蔦返しがなかなかうまく撮れない。小淵沢では小海線のハイブリッッド車を目撃、名物の古い鉄橋などを見物しながら、旅路を行く。
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大糸線に入ると後立山連峰が迫って来る。やがて明日の大滑降の斜面が見えてくる。
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中央線も大糸線も、沿線のあちこちに鉄カメの姿が見える。狙いは何か。国鉄塗装の183/189系か、2階建て215系か、それともこの列車(257系が大糸線に乗り入れる)が珍しいのか、381系しなのか。臨時列車が走るシーズンだからねえ。
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白馬駅からタクシーで栂池スキー場へ向かうが、その前にエコーランドのレンタルショップに寄って、スキー道具を借りる。小生以外の3人はレンタルで済ませたが、こんなに手軽に山岳スキーが楽しめるなんて、世の中便利になったもんだ。今回は往き帰りとも白馬駅だから、こんな芸当が可能になった訳。
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栂池高原からはゴンドラで登る。乗車の前に登山カードを出す。急に入った仕事で遅れて来るS君のスキーは下の駅で預かってくれないから、持って上がって上の駅で預けよう。ゴンドラを降りてからは、前回は栂池ヒュッテまで歩いたが、今回はさらに上のロープウェイが営業しているじゃないか、これは楽ちん。貸し切り状態でヒュッテへ向かう。
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ヒュッテは改築or改装されて、アコモはホテル並み。それでも「相部屋の場合があります」と言われるところは山小屋。チェックインしたら、後から来るS君を迎えに、せっかくロープウェイで登った区間をゴンドラ駅まで下る。林道のコースはけっこう滑り手があって、登り返すのが辛そう。
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S君はそろそろ着く頃だから、ゲレンデから大声で呼びながらゴンドラ駅へ行ってみたが、姿は無く、預けてあったスキー道具もそのまま置いてある。そこへ連絡で、な・な・な何と、白馬駅から、栂池じゃなくて八方尾根のゴンドラへ行ってしまい、しかも兎平まで上がっちゃったというではないか。このおっちょこちょいぶりには、呆れて物が言えない。
待つことしばし、どころじゃない、延々待って体が冷え切ってしまう。ゴンドラにも迷惑をかけたが、S君は何とか辿りついた。あいつが来たら何と言ってやろうかと散々考えたが、知らん顔で迎えようということにした(これが一番コタえるだろう・笑)。やっとS君が来たから、何くわぬ顔でさあ行くぞとスキーを引いて出発、宿まで1時間20分のだらだら登り。世話になったゴンドラ係員がコース整備に雪上車で通るから、深々と挨拶。夕闇迫るころ、やっとヒュッテに帰り着いたが、空腹でかなりバテた。
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夕食前のハードトレーニングのおかげでビールが旨い。夕食は量も質も十分、風呂はお湯つかい放題でシャワーもあり浴槽にはバブルバス、廊下には自販機、食堂ではお茶をサービスでポットに詰めてくれる、等々、もはやホテルなみ。客層が変化したのか、あちこちのテーブルに旨そうな持込ワインの瓶がある。邪魔なテーブルを廊下に出すが、この置き方ちょっと洒落てませんか?(常夜灯が直に目に入らない、と言う意味)。部屋が何だか暑くて、蒲団を着ると暑く、と言って掛けないとやや寒い。隊員諸君の寝息や寝言を聞きながら、雑魚寝の夜は更けて行く。
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5月4日(日)/快晴・暑い
雲一つない快晴のもとで、栂池ヒュッテから延々小蓮華頂上まで登る。そこから白馬大雪渓末端の猿倉荘まで、標高差実に1500m以上、正真正銘の大滑降である。雪質があまり良くなかったり難所があったりでだいぶ疲れたが、非常に満足。
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雨戸が無いから早朝から明るい。目を覚ますと、ホテル、じゃなくてヒュッテの部屋からは大パノラマ。今日は快晴だ、焼けるぞ〜。
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前回と同様、早めに朝食の放送がある。山で行動する際にはダイエットは別物で、炭水化物を多めに食べて、水分もたっぷり摂取しておくものだが、隊員諸君はあまり食べない。行動中に喉が乾きますぜ。さて準備万端、07:30ごろに栂池ヒュッテ出発、スキーを引いて栂池自然園を歩きだす。
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最初は平地だが、徐々に傾斜が増して来る。他のパーティーにはシールが多いが、我々は全コースをツボ足で歩く。スキーはいつものように紐で引く。レンタルスキーの場合はトップに孔が無いから、スキーを引くには工夫が要る。流れ止めを引き上げて縛っておき、締具のトーピースに紐を結わえて、スキーのヘッドを重ねたところでぐるりと縛る。これで大抵は大丈夫。
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30〜40分登ったらしばし休むペースで黙々と登る。今日は暑いから水は十分に飲んでおく。休みのたびに休憩時間が長くなって行くのは仕方がない。
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だんだん高度と傾斜が増してきて、大斜面の上部ではかなりの高度感がある。最後はストックを横に持って四つん這いで稜線へ直登、12:15ごろ稜線に出ると雪倉岳から日本海方面の展望が開けるが、霞んで海は見えない。風が強くて寒い。さっきまで半袖で通していたS君もさすがにダウンコートを着る。今日の目的地・小蓮華までは、まだだいぶあるが、ヒュッテをもっと早く出れば、白馬岳まで行って大雪渓の滑降も可能かもしれない。稜線上で飯にする。手袋を取っていると手がかじかんでくる。
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小蓮華はもうじきかと思ったら、ピークの先にまたピークがある。1時間ちかく掛かって、13:40ごろやっと頂上に着いた。他にも山スキー隊が何組かいる。頂上から右手の斜面を滑ったら白馬沢に入れそう、という声がするから話を聞いてみたが、その人も自分は行ったことが無いとのこと。
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しばし眺めを楽しんでから、14:00、いよいよ滑降である。最初は稜線上を滑るが、さきほど下見しておいた途中の適当な雪庇の残骸の切れ目から斜面へ入ってみる。斜度はかなり急で雪質もあまり快適ではないが、無理やり何度かターンを決める。いきなりの冒険スキーで、隊員諸君ややビビっているかと思ったら、案外そうでもなかったらしい。でも、こんな所で転ぶと、危険は無いものの、だいぶ流されそう。
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しばし慎重な斜滑降を続けた後、いよいよ大斜面へ出る。列車から見えたあの大きな真っ白の三角形である。I君はスキー技術的にやや不安で転倒が多いから、無理に曲がらず斜滑降で大回りせよと指示したら、本当にずーっとあっちまで斜滑降で行ってしまう。でも斜面が巨大だから安心。右下を見ると大斜面が次第に狭い沢になって行くのが見える。
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小蓮華から滑る者はあまりいないが、栂池から登ってきて、小蓮華山頂へは来ないでそのまま大斜面に入ってしまうコースは、かなりの人数である。今滑ってきた大斜面にはシュプールがいっぱい。12年前には滑っているのは我々の他に殆どいなかったが、何だかすっかり有名になってしまって、(「リフトで登る日帰り山スキー」のガイドブックに「★★クラス」として紹介されているから)人が多いのには気を削がれる。
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大斜面の滑降を終えると、次第に沢状になって来る。振り返るともう大斜面は見えない。さてこれからは沢スキー。どんなコースが待っているか。
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狭い沢のコースはシュプールだらけでもうゲレンデ状態。人が踏んでいない腐れ雪は快適だが、耕された腐れ雪は極めて滑りにくい。デブリも難所で、I君はかなりてこずっている模様。雪面が泥だらけの箇所、日影の片斜面で横滑で通過するためカリカリになった箇所、狭い直線から踏出せずスピードが出てしまう箇所、下で水面が出ている箇所など、なかなかスリル満点。でも初心者はビビるでしょうなあ。
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やがて白馬大雪渓との合流地点の砂防ダムが見える。大滑降はここまで。時刻は15:20ぐらい。
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前回(栂池スキー場が下まで滑走可能だったから積雪が多かった)は、そのまま長走沢まで雪上を行けたが、今回はいったんスキーを脱いで薮と岩場を下る箇所がある。ちょうどスノボ隊20人近くがいて、ボードが邪魔で靴も柔らかい所為か、かなり難儀しており、時間がかかる。しかし小生は、こんなコースばかりさんざん経験して来たから、雪の急斜面は踵キックステップで、岩場は邪魔なスキーを投げて雪面に挿しておいてからひらりとかわすなど、難なく通過。I君、こんなややこしいところで転ぶなよ、と思ったら、あっ転んだ〜、O嬢を薙ぎ倒している(笑)。
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難所を過ぎたら、あとは歩きかと思ったが、猿倉荘まではまだ平地滑走がだいぶある。滑り始めたらあっと言う間に下、と思っていたが、予想よりだいぶ時間がかかって、そろそろ帰りの列車が気になる。気付いたら山頂から2時間ちかく休憩もなしで来てしまった。いかんいかん、チョコレートを配給して休憩。あとは猿倉荘まで林道滑り。シュプールはところどころショートカットしているが、隊員はかなり疲れている様子、特にI君は難所の泥斜面で転んだりして、もうドロドロ・へろへろになっているから、正直に車道を行く。
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やがて下方に猿倉の新駐車場が見えて、一度スキーを脱いだが、そこまで滑ったら今日の大滑降は無事終了、ご苦労さま。16:16だったから、8時間46分も雪の上にいた事になる。
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運よく携帯の電波が通じているから、さっそく帰りのタクシーを呼ぶ。来るまで15分あると思ってゆっくり片付けていたら、ちょうど入山者を乗せて来た車があった。沢の水で靴やスキーを洗っていたが、慌ててスキーにケースを被せ、荷物をザックに詰め込む。レンタル屋でスキーを返す際に、タクシーから降りようとしたら、脚に力が入らず転倒、破廉恥。待つ間に運転手氏と喋る。八方尾根スキー場はオーストラリア人の団体客を誘致していて、そのおかげで客は増えているそうだが、連中は宿では朝飯しか食べないとか。またいっとき流行った運動部の合宿ブームも去って、体育館は朽ち果てていた。
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17時ごろ、白馬駅へ帰着。最終列車まで数十分あるから、取り敢えず缶ビールを飲んでから、トイレで取って置きの下着などに着替え、荷物の整理をする。タクシー運転手氏からは足湯を勧められたが、どうせ行くなら銭湯だけど、その時間は無い。腹が減って死にそうだから、駅前の食堂で急いで笊蕎麦を作ってもらう。
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大糸線からはさっき滑った大斜面が見える。あんなに高い処から滑って来たんだ、という満足感がたまりませんなあ。レールのジョイント音を仮名文字で表現する話(この線区を127系で走ると「分かったかな〜、わかっただろ〜」と聞こえるが、中央線を351系で走る音は何だっけ?)や、トンネル内に出来る疎密波で耳に圧力を感じるだけでなく周期的に車体前方に霧が出来る話や、飛行機の主翼上に立つ衝撃波面で光の筋が映る話など、かなりディープな乗り物談義をしながら帰った。
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と言うわけで、今年も大いに満足できる山スキー、大滑降であった。体力が続く限り、今後ともこの趣味は続けたい。しかし仲間がいなければ山に行く訳には行かない。同行してくれた3名の隊員には心から感謝する。
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◇費用メモ◇ 交通費:\19540、宿:\10185、飲食:≒\5500、(貸スキー利用者:\3000)。
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