日程:1980.2.10(日)
参加者:NABE、Hら、M留、S方
コース:六日町→(taxi)→八箇峠新道トンネル出口→旧道・トンネル→新道→八箇スキー場→(taxi)→六日町
1980.2.10(日)曇時々雪・一時晴
雪の峠越えシリーズの第3弾。上越の地図を眺めていたら、国道17号線と253号線は、無論冬期も車道は開通しているが、新道の長いトンネルになっていて、旧道が雪に埋もれて残っているはず。新道のおかげで交通至便の箇所に、由緒ある峠道がひっそり残っている、もう行かなくちゃ。2時間もあれば八箇峠はこなせるから、帰りに芝原峠(その後、湯沢高原から峠まで下ったが、峠越はまだ)の旧道を越えて帰ろう、と、最初は思っていたのである。
メンバー4名で出発。今回、我がグループのリーダーのY本先生は不参加なので、小生がリーダー。あとの3人は地図も見ないで付いてくる(ほどひどくはないが)、初めてのコースで小生が全責任を負うから、ちょっと緊張する。06:49発とき1号は超満員で待合わせの5号車には乗れず、3号車に何とか乗込んだ。しかし越後湯沢でからっぽになった。09:34六日町着、タクシーで八箇トンネルの新道を潜ったとこまで行った。ここから旧道を戻って来る予定。渋滞のせいで手間取って、タクシーを降りたのは11時過ぎ。シールの準備をして笹団子を食べてから、11:20ごろ歩き出す。しょっぱなから湿った重い雪の、かなりの深雪で、交代でラッセルするが、2人も歩けば幅・深さとも1尺ぐらいの溝ができて、その後は走っても平気なぐらい楽になる。
スノーセットの右を並行して歩いて、さて登りにかかろうとしたあたりで、M留君の新調した山用スキー締具・ジルブレッタのメインのビスが、3本とも抜けた。金具の下に雪が挟まって、梃子作用で抜けたようだ。これは取り付け施工不良なのか設計ミスなのか、いずれにしてもこんなに湿っぽい深雪は予想外かもしれない。しかし何とかせねばならない。幸い新型ジルブレッタはフレーム式だから、手持ちの細ザイルでフレームをスキー板もろとも20回ほどぐるぐる巻きにした。シールで歩くぶんには支障は無い。それに、結果的に下りでもまともな滑降はなかった。
ひどく深い新雪の60゜ぐらいの斜面を、1歩ずつスキーを前へ蹴り出すように持ち上げて、雪をぐいぐい踏みつけて行く。後ろを歩くS方さんが「ふ〜ん、そうやって歩くんですね」と学習しているが、こっちも全く自己流で自然発生的にやってるにすぎない。こう新雪が深く、しかも急な斜面を横切って行くと、雪崩が怖い。事実、小規模の雪崩の跡がある。おまじないに、コルクに赤い紐を付けたものを引き摺って歩く。ひょっとしてものすごく危ないことをやってるんじゃないか、という気持が一瞬よぎる。
13:15〜13:35、Uターンカーブの先の高圧線のちょっと先で、持参のサンドイッチの昼食。この頃、雪がかなり強く降った。14:30、旧道トンネルの手前の電線の下あたりで、S方さんが登山靴で歩いてみると言って、スキー靴から登山靴に替えた。付き合ってる彼氏が山男で、登山靴シール歩行を試してみたいというのは彼の影響らしいが、どちらかと言うと大滑降より歩行主体で地味に登るタイプと憶測される。気持は分かるが、どう考えても安定したスキー滑走にはスキー靴に分がある。
15:05、八箇トンネル入口。このトンネルは馬蹄形というより放物線の、いかにも古くさい形。入口には雪が吹き溜まりになって、トンネル断面中央に不思議な形状で堆(うずたか)く溜まっている。写真を撮ってから、その雪を踏み崩してトンネルに入る。トンネルは短いのが2つあって、2つのトンネルの間の10mが、凍った急斜面のトラバースでけっこう恐怖。2つ目の桝形トンネル(こっちは典型的な馬蹄形)に着いたのが既に15:20、16:00ごろトンネルを抜けて上越線側に戻ったが、ここからが実は登りで、見晴らしは良いが60゜の斜面の恐怖のトラバースの連続には参る。17:10、魚沼スカイラインなる稜線道路が右から合流。2回右にカーブしたら、やっと下りになった。車道で勾配が緩いから、こんな深雪ではぜんぜん滑らない。結局ぜんぶ歩いた。ラッセルを交代するが、小生以外のメンバーでは遅くて、もう日が暮れてしまうから、一番速い小生がずっと先頭を行く。
すぐ下に新道が見えるので、もうとっぷり日が暮れて暗くなった急斜面をショートカットして下って、17:50新道に出た。空車のタクシーが来ないか後を振り返りつつ歩くが、結局18:50八箇スキー場に着いてしまった。タクシーを呼んで六日町駅へ急ぎ、19:12最終とき26号に間に合って、何とか今日中に帰ることができた。22:03上野着。このコースは短いからと甘く見ていたが、予想外の深雪で異常に時間がかかり、かなり歩きでのある一日だった。芝原峠のことなどとっくに忘れていた。
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この他に上越方面で越えられそうな峠としては、十二峠(353号線)、三国峠(17号線:雪あるか?)、清水峠・蓬峠(291号線)、枝折峠(352号線:通年除雪?)、六十里越(252号線:同)、289号線、三平峠、沼山峠、等々。しかしこういう地味な峠道を黙々とシール歩行するスキーは、大比高・大滑降の快楽を求める山スキーファンとしては、もうあまり魅力を感じなくなり、また通年除雪が常識化して、峠越えシリーズはこれで打ち止めとなっている。
●費用:交通費8300のみ