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1985.5毛勝山大山岳ツアー・何と1泊日帰り登山

日程:1985.5.3(金)〜4(土)
参加者:NABE、Y本、N村、M留、Kぎ

 連休はどこへ行こうか、毎年迷う。今年は久しぶりに立山へ行くか(連休ではちょっと早い)、加賀白山に再挑戦するか、渋い所で焼石岳再挑戦か、などと考えていたが、富山平野から望む立山・剣岳の次の山塊、毛勝・猫又が以前から気になっていた。ヤマケイに毛勝山スキー大会という記事があったので、ここに決めた。ヤマケイの記事の魚津岳友会にも電話していろいろ教えていただいて、だいぶ様子が分った。魚津市教育委員会が管理する無人小屋・片貝山荘に泊れそう。

1985.5.3(金)快晴・霞
 朝早く上野から07:10の新幹線で08:51長岡、09:02の列車で11:03魚津。ここからタクシーだが、まず市役所に寄る。予め電話しておいたが、休日だが宿直室に片貝山荘の使用申請用紙と鍵があるという。行ったら若いギャル2名がいた(結果的に小屋は開けっ放しで鍵は不要だった)。片貝川沿いの車道は、第4発電所(標高475m)まで車が入り、そこから約5km歩く。途中、ほんの1箇所だけ除雪すれば片貝山荘まで車が入るといった箇所があるのだが、6月までは手を付けないそうだ。これ以上行けない雪のところにバイクが止めてあった。そういう手もある。道の右側に平行してトンネル歩道があったが、北電のメンテナンス用だろう。そう言えば薬師岳の帰りにも同じ様なトンネル通路を見た記憶がある。
 12:30頃、片貝山荘(710m)に着いた。この小屋は北陸電力の宿舎を兼ねており、2階建で、電気も水も、立派な台所もあって、快適に泊れそう。奥の部屋に電灯が点いているから、だれか居る(寝ている)と思い込んでいたが、無人だった。
 14:00に小屋を出て、偵察に行く。ちょっと歩いて川が直角に右折する地点(710m)、それからしばらく行くと、その(740m)先は雪の上。阿部木谷を砂防ダムをいくつも見ながら、時には苦労して(帰りの事はあまり考えないようにして)乗り越えながら、2時間ほど登り、また右折して、大明神沢出合(1230m)まで行った。狭い谷底から急に広がる地形に出て、何だか眩暈がするほどの解放感。今日はここまでだが、けっこう歩いた。入山者は他に数名いたようだが、スキーは1人だけ。黒くなった雪をさきほどの積雪限界まで滑ったら16:40。ここにスキーをデポして、身軽になって17:00小屋へ戻る。M留君はこれだけで疲労困憊。明日の長丁場は大丈夫かな。明日は好天が予想され、食糧計画も若干変更で、饂飩入豚汁の夕食。明日に具えて20:30には寝た。

1985.5.4(土)快晴
 04:24起床、ラーメンの朝ごはんで腹拵え。06:05出発。荷が軽いから、すぐにスキーデポ地点に着く。宗次郎谷出合(840m)、13号砂防堰堤(1025m)、大明神沢出合(1230m)と、それぞれ左・右・左と直角に折れる。地質的にそうなっているんだろう。大明神沢出合には08:30ごろ着いた、順調。09:45〜10:10に1520m地点(毛勝谷が左右に分かれるあたり)で昼食。右に分かれる沢はすごいデブリでとうていスキーは出来そうもないが、本谷はべったり雪。カメラケースの前蓋が雪の上をゆっくり転がり落ちてくる。全面雪で見失うこともない、帰りに拾えば良いから放っておこう。強い日差しで雪が腐って(写真は仮で、いずれネガからスキャンして入れ直す予定)、最後の900mぶんあたりでは、急斜面のため表面がざ〜っとゆっくり雪崩れて来る。
 13:00ついに双耳峰の鞍部に着いた。剣岳をこんな高さで北から見るのは当然初めて。立山方面に素晴らしい景色が広がる。北峰は2414.4mで、南峰は三角点じゃなくて標高が分らず、ちょっと手前に2400mの等高線がある。どっちのピークに登るか迷ったが、スキーしやすそうな南峰へ向かう。13:15登頂。
 頂上でひとしきり360゜の眺望を楽しんでから、13:30には滑降開始。このスケールと斜度は、まさに「大滑降」である。腐れ雪は今の時期ではちょっと柔らかすぎる。自分で起こした表層雪崩が落ちるのと、1回ターンして真下に来るのがちょうど同じタイミングで、いつも雪崩かすに邪魔される形、頗る滑りにくい。それでもちょうど良い斜面で、大明神沢出合までは止まるのが惜しいほど。その後は斜度が緩くなり、雪面も土色に汚れて滑走抵抗が増えてちょっと滑りにくいが、大スケールの景色が補って余りある。それまでは遅い隊員を待ちながら、やや慎重に(高度を大事に消費しながら)滑っていたが、緩斜面に出てからはもう勝手に滑らせて貰う。悪雪に暴れるスキーを押さえながら、膝がガクガクになるまで、それこそ10分以上もノンストップで滑った。大明神沢出合から下は昨日滑った黒い雪。落葉やデブリを避けながら慎重に滑り、13号堰堤では越えるのにちょっと苦労し、バケツリレーならぬスキーリレーで荷物を送る。16:00、スキーを脱ぐ。今日の入山者は我々の他には9人。スキーは他にいなかった。この好天で、ちょっともったいない。
 ほどなく小屋に着き、17:05小屋を出るが、スキーを背負うと荷物が肩に食い込んで痛い。17:55に第4発電所へ。ここから車道だが交通手段が無い。N村君が登山者の車に乗せてもらって、タクシーを呼びに行った。タクシーに乗るまでは今日中に東京へ戻る事など諦めていたが、運転手に言われてまだ間に合うことに気付く。19:13魚津駅着、19:19の雷鳥に乗れて21:21長岡、21:32発で上野には23:13に帰着した。ほんのさっきまで大滑降していたのに、もう家だ。新幹線のおかげで便利になったが、もうちょっと感動の余韻に浸っていたかったような気もする。

食糧  予備日を含めて2泊3日分準備していたので、たくさん余った。予定メニューは、夜:真空パック飯、朝:ラーメン、昼:パン、夜:真空パックor餅、朝:ラーメン、昼:パン。おかず:定番になっていた味噌漬け豚肉、鰺開き(現地調達)、ハム類、蒲鉾、玉葱、葱、大蒜、バター、ジャム。他に紅茶、砂糖。天候待ちでそれ以上延びたら、非常食で食いつないで「這って魚津へ帰る」と予定表にあった。実績メニューは上記どおり。
費用
 交通費:\23500、宿泊費:\0、食糧:\6000、合計\29500。