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1986年5月:富士山・高山病と戦いつつ山頂から大滑降


日時:1986年5月17日(土)〜18日(日)
 富士登山・滑降:18日(06:40〜15:35)
 コース:富水(泊)→御殿場→新5合目→富士山頂(銀明水)→新5合目→御殿場→小田原
参加者:NABE、N村、N嶋、S藤、T池、S田

1986.5.17(土)曇
 研究室のメンバーで富士山大滑降に挑戦。山の様子については、R大図書館職員のT氏が所属するスキーアルピニズム研究会の会誌「ベルクシーロイファー」に出ていた内容を参考にしたが、このグループも同日に富士山に行っている筈。
 20:01小田急で新宿を出て、21:30ごろ富水駅に着く。メンバーはN嶋君の自宅に泊るが、小生は先生の身だからと遠慮して、地元の旅館を取ってもらった。明日が早いから宿代を先に払おうとしたら、N嶋君のお父様が宿代を払って行ってしまった。遠慮して旅館に泊ったつもりが却って悪いことをしちゃった。TVに100円入れたがピントが合わない。早く寝ないと、あと5時間しかない。

1986.5.18(日)快晴→薄曇
 4時過ぎ、車が宿に迎えに来た。開成駅でS藤君を拾って、N嶋君のスカイラインとS田君のソアラで、東名で御殿場へ。富士山スカイラインは早朝はたしか無料。登山道の御殿場口あたりまで雪があるが、こんなところから登ったら頂上まで行き付かない。我々は車で行ける最高地点の新5合目(2400m)へ向かう。
 新5合目駐車場には何組かのスキー登山者がいたが、どれがスキーアルピニズム研究会のグループか分からなかった(図書館のT瀬氏に誘われてこの会の定期会合に出たこともあるのだが)。パンで朝飯。スキーをザックに装着し、06:40頃、を出発。最初から兼用靴(一部隊員はスキー靴)で登った。07:05ごろ最初の雪田に出るが、夏道はこの雪田を避けて登っている。07:20ごろ、2つ目の雪田へ。ここでスキーに紐を付けて引く準備をして、07:45いよいよ本格的に登り始める。途中でまた火山灰状の砂地を潜りながら通過し、08:45、3つ目の雪田へ。締った雪の上ではアイゼンが欲しかった。S田君はそろそろ高山病の様子で、置いて行くことにする。しかしS藤君は元気元気で、休憩中もそこいらで靴でグリセードして遊んでいる、余裕。
 09:50、この雪田の途中、7.5合目あたりで、元気なS藤君・N嶋君の2名が先行する。小生はやや遅れ始め、更に後方にN村・T池の2人が遅れている。みんな頭痛や疲労を訴えている。明らかに高山病である。本来は新5合目に昨夜の内に着いて、駐車場で1泊して高地順化しておくべきだった。スキーアルピニズム研究会の連中はテントを張ってた筈。
 最初は快晴だったが、だんだん高層雲が厚みを増す。風は弱いが無風ではない。10:55〜11:20、8合目で昼食。N嶋君の家で作ってくれたおにぎりがうまい。S田君は完全に参った様子で、登って来る気配がない。そろそろ小生も頭痛がひどくなってきた。11:20〜12:20、S藤君がどうしても頂上へ行きたいというから、先に行って貰った。彼は元気だが、こっちには残念ながらもうそんな気力・体力なし。N嶋君も行ったら、と勧めるが、怖じけはじめて行かない。
 13:35、ついに火口の縁(3740m)へ。銀明水。N嶋君と小生は、ここまでにする。あまりに頭痛が激しく、眩暈もする。風も少し強くなってきた。元気なS藤君はずんずん行って、測候所の屋根、つまりまさに日本で一番高い地点まで行った。そこからスキーを履いて火口壁をちょっとだけ滑っている。火口はけっこう広く深いから、底まで滑ったら時間が掛かるから、今日は無理。
 我々は南斜面を戻るのだが(標高差1300m、実質滑降比高は1200m代)、頂上から東の御殿場口方面は、ずっと下(1280m)まで雪がべっとり続いている。車が2台あれば、新5合目から登って御殿場口へ降りることも可能だろう。標高差2000mに及ぶ大滑降が出来るわけだ。次回はこれに挑戦してみたい。
 S藤君が戻るまでそこいらに寝転がって休む。14:00、滑降開始しようとする。南斜面だから夕方には日が当らなくなる。これ以上遅くなると、雪面が凍りでもしたら怖いから、早く降りよう。しかし、T池・N村の2名が少し遅れて登ってきていたのだが、T池君がぼーっとしてて動作緩慢状態で、なかなかスキーが履けず、歯の隙間を通る空気の抵抗が少ない、などと高山の空気の薄さについて微妙な感想を言ってる。14:15ごろ、やっと滑り出せた。
 遥か下方の景色を見ながら大斜面を快調に飛ばす、と行きたいところだが、頭痛がひどくて頭が割れそう。これが苦しくて止まるという有様。しかし雪面は固く締っていて頗る滑りやすい、絶好の雪質。ただし天候に恵まれたからであって、凍ったら怖かっただろう。8合目で右の雪田に渡るためいったん夏道を下るが、S田君が復活して登ってきた。小屋のあたりで彼を拾って、更に2つ目の雪田を滑る。ここは標高差も大きく取れて、まさに大滑降。しかし頭痛で止まって休む状況に変わりはない。我々が滑っている雪田以外はほとんど雪が無く、黒黒とした夏景色に向かって滑って行くのは妙な気分である。滑降最後のあたり、宝栄火口までは一般観光客が登っているが、わざわざ一般客の通るあたりでオーバーに声を出しながらスキーをしているグループがいる。どこかのスキーサークルの練習だろうが、ちょっと登ったら大斜面があるのにわざわざこんな狭い、しかもハイキング客が邪魔になる所でスキーをしているのは、明らかにギャラリーを意識した行為で、馬鹿馬鹿しくも浅ましい。
 雪田の一番末端まで滑った。転倒したS田君が気持ちよさそうに「うわぁ〜」とか言いながら仰向けに滑落し行く。その先に丸い岩があるじゃないか、こんなところで頭を打ったりしたらそれこそ馬っ鹿みたいだから、気を付けろよな。
 滑降開始から80分、15:35ごろ新5合目へ帰着。ビールで乾杯したいところだが、車だから遠慮。先生は飲んで下さいと言われても、そうは行かない。
 帰りの富士山スカイラインは800円、東名は700円。小田原から小田急、下北沢乗換で渋谷へ出て帰った記録があるが、詳細は忘れた。ぶじ富士山大滑降に成功。高山病の頭痛以外は非常に楽しいスキーだった。

●費用
 交通費:2750(国鉄、小田急、井の頭、道路)
 入場料: 560(何だろう?、国立公園?)
 飲食費:3320
  合計:7090円(N嶋君ありがとうございました)