題名:オーメン (1976年)

おすすめ:☆☆☆

【内容】

ローマ。6月6日午前6時。

ロバート・ソーン氏の一人息子は生まれた。

しかし、神父の話では、生まれてすぐ息を引き取ったと言う。

妻のキャシーになんと弁明するべきかと途方に暮れていたところ、その神父が一人の赤ん坊を連れてきた。同じ時刻に生まれた子供で、母親の方が亡くなったと言う。

ロバートは、その子を抱いてキャシーの病室に入っていった。

数年後、ロバートは英国駐在大使に任命された。将来の大統領候補であった。

例の子供はダミアンと名付けられ、5歳の誕生日をその地で迎えた。この日、彼は洗礼を受けることになっていた。

だが、そこで事件が起きる。乳母のホリーが大勢の見ている前で首を吊ったのだった。

ロバートはサウジアラビア行きをキャンセルし、そこへブレナン神父が現れた。

彼はダミアンが生まれたときに居合わせた神父で、自分の罪を償いたいと言う。そして、ダミアンの母親は山犬だと伝えるのであった。

家に帰ったロバートのもとに、ベイロックという乳母が現れた。彼女は亡くなったホリーの代わりに斡旋所から派遣されたという。だが、ダミアンと二人きりになると、「お前を守るために来た」と話す。

ある日、ベイロックの反対を押し切るように、ダミアンを教会での結婚式に連れていくと、突然ダミアンが暴れ出し、家族は戻らざるを得なくなった。

ロバートは、ダミアンが怪我も病気もしないのを不思議がる。

そして、ベイロックは黒い大きな犬を家に連れ込んでいた。

またある日、キャシーがダミアンを連れてサファリ・パークへ行くと、ダミアンを見た動物はみんな逃げだし、凶暴なヒヒは車を襲ってきた。

ロバートは妻の異常に気が付くが、彼女は怯えるだけで、精神科医にかかることになった。

ブレナン神父が再び接触を求めてきた。

5分だけの約束でロバートが会うと、予言書を朗読し、メキドへ行き、ブーゲンハーゲンに会って子供の殺し方を教われと言う。

ほうっておくと、キャシーのお腹の子を殺し、また彼女自身も殺される、とも言い放った。

ロバートは、彼の話を信じず、家路につく。

だが、そこで妻の妊娠を聞かされ、夕刊にはブレナン神父の死を知らせる記事が載っていた。

神父の予言が当たったのか、キャシーは2階から転落し、流産した。

そこへ、カメラマンのジェニングスがロバートに電話をしてきた。ロバートと神父のことで話があるという。

彼は、ロバートを担当しているカメラマンで、彼の周囲の人物をカメラに収めていた。そして、奇妙なことに、ブレナン神父の死を予言するようなものが映っていたと説明する。

そして、彼自身の写真にも似たような影があることを示す。ロバートは真実を告白した。

二人はローマへ渡り、ダミアンの出生について調べる。

当時の産院は5年前に焼け、手がかりはごくわずかだった。火事の生き残りのスピレトー神父は、口が利けない。だが、チェルベットの墓地だということを示してくれた。

そこは、ローマから北へ50Kmほど行ったところ。墓しかないところであった。

ロバートとジェニングスが、ダミアンの母親の墓を暴くと、そこには犬の骨が埋められていた。

気が付かないうちに、周りは山犬に囲まれ、二人はなんとか逃げ出した。

ロバートは妻に逃げるように指示をする。彼のいるローマへ来るように伝えるが、キャシーは殺されてしまう。

失意のロバートは、ブレナン神父の言うとおり、メキドのブーゲンハーゲンに会いに行く。ブーゲンハーゲンは、ロバートだけに悪魔の殺し方を教わる。

だが、ロバートは迷っていた。その者が悪魔の使いかどうかは、身体に「666」の印があるかどうかでわかるという。

しかし、代わりに自分がやると宣言したジェニングスが、すぐに事故で死に、決心が付いた。

ロバートは悪魔のもとへ向かう。

【評論】

ホラーとサスペンスの中間のような作品。

当時は、これがホラーの最先端であったのだろう。悪魔そのものが登場する。

ストーリー展開は、「宗教ものか?」という感触があるのだが、どうもそうではないらしい、ということがわかってくる。

だんだんとサスペンスの展開になり、最後は悪魔退治。ラストシーンはお約束。

でも、良くできていると思う。

当時、手本となる作品がたくさんあるわけではなく、これだけのものが出来るのは大変なこと。

そのアイディアを勉強しよう。