Trip For D.P.R. KOREA

地図なき国へ
「北朝鮮に旅行に行く!」
「はぁ~??!!」
聞けば反応のほとんどは怪訝なものだ。グーグルマップで北朝鮮を開いてみる。真っ白…。白いベールに包まれた謎の国、北朝鮮。
百聞は一見にしかず。ならば見てみようじゃないか。同志が集まり、首都・平壌を目指して出発した。
※ マップのAが大連。大連から北朝鮮国境の街、Bの丹東へ。丹東から国境の橋を渡り、マップの中央の平壌を目指します。




鉄路 ~丹東から平壌へ~

北朝鮮国境の町、丹東。国境にかかる橋の先には北朝鮮が。夜はライトアップされた観光名所。日本植民地時代に架けられた橋がいまだに現役。


巨大な丹東駅。北京から一晩かけてやってきた国際列車に乗り込み平壌まで向かう。定刻の9時30分を遅れて出発。橋を渡ると新義州。ついに北朝鮮だ。中国との時差は1時間、時計の針を進める。発車時刻は14時。ここから3時間に及び入国審査を受ける。



青色の書類が北朝鮮の入国ビザ。乗り込んできた入国審査官が乗客一人ひとりの荷物をチェックする。だからやたら時間がかかる…。
共和国持ち込み禁止品として携帯電話やパソコンが言われている。自分は両方とも持っていた。スーツケースまですべてチェック。携帯電話は右の写真のように厳重にパッキングされる。

パソコンは、しきりに「Movie」が入っていないか聞かれる。起動してファイルまでチェックされると聞くが、バッテリーが切れて起動できない。何に使うのか英語で聞かれ「Diary」と答えると渋々納得し、パソコンはそのまま返してもらった。書籍類もチェックされる。持参した「旅の指さし会話帳 北朝鮮」は没収。将軍様のイラストがNGのようだ。


新義州14時発。平壌到着は19時40分。直線で距離200キロもない鉄路をゆっくりと進む。食堂車でランチ。メニューはコース料理のみだが、種類も豊富で味も良い。部屋に戻っても退屈。食堂車は居酒屋状態。ビールはなぜかアルゼンチンビールだった。ウェイトレスの制服が萌えポイント。




車窓は素朴な共和国の風景。畑、ときどきスローガンのどかな光景。もし一人旅だと飽きてしまうだろうな。駅はもちろんある。国際列車なのでほとんど通過するが5~6駅は停車する。それぞれ15分くらいは停車時間がある。どの駅も主席の肖像画が。移りゆく景色に共和国だということを実感する。


停車中の駅から子供が見える。こちらに気づき手を振ると、振りかえしてくれる。そしてこちらに向かって走ってきた。素朴でかわいい…


停車中の駅で。列車の本数も少ないからだろうか、どの駅も人であふれている。メイド風の売り子さんの姿も見える。


自分たちの車両の各部屋は個室。外国人なので一番いい席。二段ベッドの4人部屋でベットに腰掛け車窓を楽しむ。
列車はあと少しで平壌に到着だ。惑星アンドロメダを目指す「999号」のような心境だ。(ちゃんと帰ってきますよ…)


平壌!PYONGYANG! ついに到着。共和国の首都へついに降り立つ。ホームで出迎えのガイド2名と合流。高麗ホテルへ向かう。


高麗ホテル


平壌の特級ホテル「高麗ホテル」。西洋式で日本のシティホテルと何ら変わらない。テレビなど旧式のアナログだがCNNもNHK海外版も視聴できる。
もちろん朝鮮中央放送も写ります。ちなみにテレビは、17時以降しか放送しません。(朝のニュースもなし。ラジオは流れている。)
将軍様、ロシア訪問のニュース映像→ http://www.youtube.com/watch?v=Xmh6GRCY1s4
一般のニュース映像。運動会?→ http://www.youtube.com/watch?v=gL-Q8B3aqEo


館内には一通りの設備。卓球場はホテルにはあまりないか。(共和国では卓球が人気なのか?!)


宿泊フロアは32階。ホテルの窓からの平壌市内。節電中の東京よりも夜は暗い。昼間の写真に比べたら人が住んでいるのか、とさえ思う。


板門店と開城市内へ
翌日、板門店と開城市内の日帰りツアーに出発した。マイクロバスで出発だ。

平壌から開城まではハイウェイが開通している。舗装が荒れ揺れるゆれる…。車少なく渋滞知らず。時々、検問所あり。移動の自由の制限か。


日本では考えられないが、ハイウェイは普通に人の往来がある。自転車だって走ってる…。ハイウェイ周囲に舗装された一般道が少ないからか。


同じ車線を対向車が走ってくることもある(笑) 反対車線が工事中のためだが、工事コーンくらい立てておいてよ…。



唯一のサービスエリア。各国の観光客が一斉に休憩を取っている。日本の駄菓子(ガム)はいったい…。それにしても車が走ってこない道路だ。


板門店

板門店手前で周辺一帯の説明を受ける。


この先は本当の板門店。バスに乗り込み出発。ガイドの軍人さん(朝鮮人民軍大尉様)が乗り込んでくる。


いよいよ南北境界線へ。青い建物が国連側、白い建物が共和国側だそうです。この日は国連側の憲兵は見えませんでした。
※「延坪島砲撃事件」以来、南からのツアーは中止だとか。共和国側は微塵もそんな緊張感はない。マイペースだわ…。
写真の「軍事停戦委員会本会議場」入場時の動画はこちら →http://www.youtube.com/watch?v=iKYZGjiSLrQ


建物の中。国連軍には日本はいないです。共和国から見れば日本は敵国ではないということ? 建物内はすっかり観光地。はしゃいでいます。


記念撮影。


開城市内

金日成主席像。(通称「お父さん」)。一礼してから写真撮影です。市内を見渡せる高台に建立されています。


開城市の団地。地面にアスファルトが少ないのが特徴。近所で子供たちが裸で川遊びに興じている。夏休なのか子供は道中やたら目にした。

アリラン祭
今や平壌観光の目玉、アリラン祭。光と音、人海戦術を駆使した巨大なミュージカルというべきか。キャスト数は延べ10万人とも。世界でも類をみない。

ホテルのアリラン祭のポスター。観光の目玉だ。会場のスタジアム前の噴水の煌びやかなこと。電力不足なんてアリラン祭の前には関係なしか。


二等席(100ユーロ)を買いました。VIP席(300ユーロ)のお隣。

アリラン祭は、共和国の生い立ちをミュージカルのように仕立てた歌劇。お国柄、お父さん賞賛のような国威発揚シーンも目立つが最後は朝鮮統一という、誰しも願うメッセージで締めくくられる。是非、日本公演を実現してもらいたいものだ(絶対に無理)。

これより90分に及ぶアリラン祭の一コマを紹介します。(YOU TUBEに動画も載せたので、リンクもはります。やっぱり動画がオススメ)
http://www.youtube.com/watch?v=-1MBkhsp_u4
http://www.youtube.com/watch?v=adVQzwIplkw
 ←イチオシ
http://www.youtube.com/watch?v=_OcXMGkKgI8
http://www.youtube.com/watch?v=Wf2jAGhmA9g









中国は最大の友好国で貿易相手国なので、パンダ(かわいい!)とか朝中友好を強調するシーンも。共和国も何かと苦しいしね…。

その2へ続く