過去の問題と解答・解説


 第7問(9月25日更新)

 先日、私は灘中予想問題2日目を作りました。その中の問題を大問1つずつ紹介しようと思います。なお、いずれこのHPにもまとめて載せる予定です。


 問題

 1〜99の99個の整数を並べてできる整数を整数Pとする。例えば、3,87,61,11,93,5,20,……… と並べると、=387611193520……… となる。

(1)
整数P何桁の整数か。

(2)
整数Pの値として考えられるもののうち、最も小さい数上7桁と下7桁を求めよ。

(3)
整数Pの値として考えられるもののうち、最も小さい数と、10番目に小さい数を求めよ。












解答

(1)189桁 (2)上7桁…1011112 下7桁…9798999 (3)180999

解説

(1)2桁の整数が90個、1桁の整数が9個で出来ているので、(2×90+9=)189桁

(2)上から1桁目は0はないので1。2桁目は0。これは「10」を使うしかない。次は0はないので1。同様にできるだけ1を続ければよい。これは、「1,11,1●」とすることで4つ続けることができる。●は最も小さい2が入る。よって上7桁は「1011112」
下7桁は、出来るだけ大きな数を入れるのではなく、最後まで余った数を入れるということに注意しなければならない。最後は「9,99」で999となる。その前は、「89」でなく「98」。「89」は「8,88」の直後にある。同様にその前は「97」。よって下7桁は「9798999」

(3)(2)の下7桁を並べ替えて少しずつ大きくしていく。
@97,98,9,99
A97,9,98,99
B97,99,98,9
C97,9,99,98
D98,97,9,99
E98,9,97,99
F98,99,97,9
G98,9,99,97
H9,97,98,99
I9,97,99,98
よって差は 9979998−9798999=180999


 第8問(10月24日更新)

 「先日、私は灘中予想問題2日目を作りました。その中の問題を大問1つずつ紹介しようと思います。なお、いずれこのHPにもまとめて載せる予定です。」  の第2弾!!


 問題

第8問の図

 三角錐O−ABCがある。辺OA上に点Pを、辺OB上に点Qを、辺OC上に点Rを、それぞれOP=PAOQ:QB=1:3OR:RC=1:7となるようにとる。さらに、点Pを通り面OBCと平行な面を面X点Qを通り面OCAと平行な面を面Y点Rを通り面OABと平行な面を面Zとする。この三角錐を3面で切断するとき、次の問いに答えよ。

(1)切断するといくつの立体に分かれるか。

(2)3面のすべての面上にある点(注)が1つだけある。この点を点Sとするとき、三角錐S−ABCの体積は三角錐O−ABCの体積の何倍か。

(3)切断してできる立体のうち、点Oを含む立体の体積は三角錐O−ABCの体積の何倍か。


(2−注)図を参照。3つの面が交わっている点です。なお、この点は三角錐O−ABCの内部にある。


解答

(1)8個 (2)1/8倍 (3)3/32倍

解説

(1)図を見て数えればOK!!ですが、意外と間違えが多かったです。また、(注)より点Sは三角錐の内部にあるので((2)を解くとその理由もわかります)、一回切るごとに個数が2倍になり、2×2×2=8(個)となります。

(2)三角錐SABC=三角錐OABC−(三角錐SOAB+三角錐SOBC+三角錐SOCA)
また、三角錐SOAB=1/8*三角錐OABC,三角錐SOBC=1/2*三角錐OABC,三角錐SOCA=1/4*三角錐OABC
よって、三角錐SABC=(1−(1/8+1/2+1/4))×三角錐OABC より、1/8倍

(3)三角錐をゴチャゴチャ足し引きしても答えはでますが、面倒だし、入試ではそんなに時間をさけません。
点Oを含む立体は直方体を点Oと点Sを持って引っ張ってできるような立体です。この体積は、直方体のときと同様に三角錐OPQRの6倍になるのです。ということで、(1/2)*(1/4)*(1/8)*6=3/32(倍)


 第9問(12月19日更新)

 期末考査が終わって、面白い図形の問題を思いつきました。是非解いてみてください。


 (1)

第9問(1)の図

 直径4cmの円の円周に12個の点をとって順に結ぶと、正十二角形ABCDEFGHIJKLができた。このとき、四角形BCJKの面積を求めよ。

 (2)

第9問(2)の図

 上の図は、正五角形ABCDEと正五角形FCGDHが重なったものである。このとき四角形FCDHの面積は六角形ABCGDEの面積の何倍か。

 (3)

第9問(3)の図

 上の図は、大きな正方形の中に8個の一辺の長さが等しい正方形が入っているものである。図中?の長さを求めよ。


解答

(1)3cm2 (2)1/4 (3)4

解説

(1)1×5−1−(3−2)=3(cm2
(2)

(3)



 第10問(1月21日更新)

 授業で習ったばかりの道順の問題を作ってみました。おまけの問題は、ちょっと面倒なのでもし解くなら時間があるときに解いてください。もちろん「1問だけ解く」とかも大歓迎!


 (1)

第10問(1)の図

 上の図は、直角二等辺三角形を144個集めてできる図形です。左下の点Aから、右上の点Bまで線上を通って行く最短経路は、もちろん1通り(全体の正方形の対角線を通る場合)しかありません。
 では、点Aから点Bまで点Pを経由して行く最短経路は何通りあるでしょか。

 (2)

第10問(2)の図

 上の図は、20個の正方形と、正方形に内接するを20個書いたものである。左下の点Aから、2点P,をこの順番で経由して、再び点Aに戻ってくる最短経路は何通りあるでしょうか。

 (3)

第10問(3)の図

 上の図を一筆書きする方法は何通りあるでしょうか。


 おまけの問題A

 5桁の整数から、数字を1個取り除くことによって、5つの4桁の整数を作ることができます。例えば、もとの5桁の整数が「12345」のときは、「1234」「1235」「1245」「1345」「2345」ができます。いま、5桁の整数Aについてこの操作を行なったところ、できた5個の4桁の整数はすべて異なり、それらの和は25369となりました。整数Aの値を求めてください。


 おまけの問題B

 3334.56の,小数点の位置は変えずに,数字の順序を変えて小数点以下四捨五入すると,異なる数字は何個できるでしょうか。(もし、順序を変えずに四捨五入すると3335になる。)


解答

(1)20通り (2)36通り (3)12通り (おA)39739 (おB)90個

解説

(1)結局、縦3マス横3マスの正方形の格子の角から角にいく道順となる。
(2)どのような場合が最短になるのか注意深く考えるとよい。A→Pは3通り、P→Qは2通り、Q→Aは6通りあるので、3×2×6=36(通り)
(3)スタートは正方形の右下と左下の頂点のどちらかである。それぞれの頂点からスタートする方向は3通りずつあり、その各々についてその後の回り方が2通りあるので、2×3×2=12(通り)
(おA)「25369÷4=6342…1」より、十の位は3か7である。そのそれぞれについて「十の位→一の位→百の位→千の位→一万の位」の順で場合わけしながらさかのぼると、39739と46678の2つの答えがでる。ただし、46678は「できた5個の4桁の整数はすべて異なる」という条件に反してるのでダメ。(この問題はプログラムを用いると簡単ですね……十の位を絞ったほかはプログラムと同じことをしているわけですから。)
(おB)整数部分に含まれる「3」の個数で場合わけ。18+48+24=90(通り)


 第11問(1月29日更新)

 今回は1問だけですが、少し難しいかもしれません。自作の問題です。



第11問の図

 上の図のように、△ABCの辺AC上に∠ACB=∠DBCとなるように点Dをとり、直線BD上に点Eを∠BECが∠BACの2倍の大きさになるようにとったところ、BE=3cmCE=8cmとなった。
 辺ACの長さを求めよ。


解答

11cm

解説

三角形EBCを辺BCで折り返して三角形FBCをつくり、辺AC上にFB=CGとなるように点Gをとると、四角形BFCGは平行四辺形になりCG=BF=BE=3cm、三角形ABGは二等辺三角形となりAG=BG=FC=EC=8cmとなり、AC=CG+AG=11cm

こんな解き方もあるようです。
DBをD側に延長し、AD=DFである点Fをとると△EFCは、EF=EC である二等辺三角形となりAC=FB=3+8=11(cm)


 第12問(2月22日更新)

 第12問なので、1辺12cmの正方形に関する問題を作りました。前回の問題と似ていますが、気にしないでください。難易度は前回より少し難しめのつもりです。なお、今回は期末前なので解答を下さっても返事はできません。すみません。



第12問の図

 上の図のように、一辺12cmの正方形ABCDの辺BC上に点PをBP=8cmPC=4cmとなるようにとり、辺CD上に点Qを角BAPと角PAQの大きさが等しくなるようにとった。これについて次の問に答えよ。

(1)直線AQの長さは直線CQの長さよりどれだけ長いか。
(2)直線AQの長さは直線DQの長さよりどれだけ長いか。
(3)CQ:QDを求めよ。

(注)この問題における「直線」とは、数学的には「線分」のことです。


解答

(1)6cm (2)8cm (3)7:5

解説

(1)と(2)は、それぞれ単独で雰囲気を変えて出題されることが多いのですが、それを組み合わせて何か求めることは出来ないだろうか?と考えて作ったのがこの問題です。ただし、CQ:QDはこの方法を使わなくても求まるようなので、イマイチな問題になってしまいました。すみません。さて、想定していた解き方を説明しておきます。
(1)APを延長してDCの延長との交点を点Rとすると、三角形AQRはAQ=QRの二等辺三角形となる。よって、AQ=CQ+CR=CQ+6cm。ゆえに、6cm。
(2)三角形ABPを点Aを中心に反時計回りに90度回転させて、三角形ADSとすると、三角形AQSはAQ=QSの二等辺三角形となる。よって、AQ=DQ+DS=DQ+8cm。ゆえに、8cm。
(3)(1)(2)より、CQ=DQ+2cm。また、CQ+DQ=12cm。よって、CQ=7cm,DQ=5cm。ゆえに、CQ:QD=7:5。
ちなみに、△ADQでAD=12cm,DQ=5cm,AQ=13cmとなっていて三平方の定理(=勾股弦こうこげんの定理=ピタゴラスの定理)が成り立っていますね。さらに、BP=PCとすると、△ADQは3:4:5の直角三角なります。興味深いですね。


 第13問(3月15日更新)

 このページが春モードに模様替えしたことにお気づきになりましたでしょうか?
 今回は、エクセルで書いて画像として出題してみました。画像が見れない方はごめんなさい。
 問1は分かれば簡単ですが、おもしろい問題。問2は気づけば解ける問題。どちらも是非解いてみてください。


第13問



解答

問1:12人/問2:98通り

解説

(問1)13人の子ども達の言っていることは、同時に2つ以上起こりえないから、正しいことを言っている人は0人か1人。0人の時は、13番の人が正しいことを言っていることになり矛盾するので、1人だけが正しいことを言っていて、他の12人はウソを言っているとわかる。正解率は91%で、予想以上に皆様正解されていました。

(問2) フィボナッチ数列だと思い、34通りや55通りとお答えになった方が多かったです。正解率は36%と、やや難しめでした。この問題は私が自分で思いついた問題なのですが、まず私もフィボナッチになると思いました。でも、6人の場合を全通り書いてみると、6通りになって、早くもフィボナッチが崩れてしまうのです。
トーナメントの図を書くと、最終試合のところで、右半分と左半分に分かれます。その人数の分かれ方で場合わけして、人数を少しずつ増やしていけば解けます。
まず、6人の場合。1人+5人のとき、1人の方法は1通り、5人の方法は問題に示されているように3通りであるから、1×3=3通り。2人+4人のとき、2人の方法は1通り、4人の方法は2通りであるから、1×2=2通り。3人+3人のとき、どちらも1通りであるから、1通り。よって3+2+1=6通り。
7人の場合。1×6+1×3+1×2=11通り
8人の場合。4人+4人のとき、どちらも2通りですが、2×2=4通りとすると、右側と左側を入れ替えただけの場合を重複して数えてしまいます。4通りのうち、2通りは右側と左側が同じ形の場合です。残りの2通りは、右側と左側が異なる場合であり、2回ずつ数えてしまっています。よって、2+(2×2−2)÷2=3通り。したがって、1×11+1×6+1×3+3=23通り。
9人の場合。1×23+1×11+1×6+2×3=46通り
10人の場合。1×46+1×23+1×11+2×6+{3+(3×3−3)÷2}=98通り
よって、答えは98通りです。

以上のことを総合すると、次のことが言えます。
*―――――――――――――――――――――――――――――――――――*
|n人のときの試合形式の数をa[n]とすると、                |
|(ア)n=2m+1 のとき                          |
| a[n]=a[1]*a[n-1]+a[2]*a[n-2]+……+a[m]*a[m+1]            |
|(イ)n=2m のとき                           |
| a[n]=a[1]*a[n-1]+a[2]*a[n-2]+……+a[m-1]*a[m+1]+{(a[m]+a[m]^2)/2}  |
*―――――――――――――――――――――――――――――――――――*
確かに結構難問です。

正解者一覧

順位 (1) お名前 (2) 回答日時
ダンディ海野さん 2008年3月16日 (日) 午前11時51分49秒
MP5Kさん 2008年3月16日 (日) 午前12時18分46秒
スモークマンさん 2008年3月18日 (火) 午後2時24分30秒
ぽつさん 2008年3月18日 (火) 午後7時47分8秒
weaponさん 2008年3月18日 (火) 午後11時41分9秒
τさん 2008年3月20日 (木) 午前0時36分54秒
nakakunさん 2008年3月20日 (木) 午後7時33分59秒
pさん 2008年3月23日 (日) 午前10時36分23秒
Nさん 2008年3月29日 (土) 午後8時13分49秒
10 atsukaさん 2008年4月3日 (木) 午前0時38分13秒

今回は、(1)、(2)のどちらか1問正解すれば正解者一覧に載ります。

順位が太字の方は(1)を正解され方、お名前が太字の方は(2)を正解された方です。


 第14問(4月4日更新)

 今回も場合の数の問題になってしまいました。2回連続ですみません。自作です。


第14問



解答

443通り

解説

図3の状態では、以下の3通りがある。

0000
0000
0000

2222
2222
2222

3123
2
1

上2つの場合はそれぞれ1通りずつ。
下の場合は、「3マスで和3」が7通り、「2マスで和2」が3通りであるから、7×7×3×3=441通り。
よって、1+1+441=443通り

正解者一覧

第14問正解者
順位 お名前 回答日時
Mr.ダンディさん 2008年4月5日 (土) 午前0時0分26秒
weaponさん 2008年4月5日 (土) 午後2時12分43秒
NNさん 2008年4月5日 (土) 午後2時44分2秒
nakakunさん 2008年4月18日 (金) 午後6時58分1秒



 第15問(4月18日更新)

 図形の問題です。難しくしたつもりです。自作です。


第15問:△ABC=35,□ABNM=30,□CDMN=40

 上の図のように、三角形ABC=35cm2である四角形ABCDの辺AD,BCの真ん中の点をそれぞれ点M,Nとすると、四角形ABNM=30cm2四角形CDMN=40cm2となった。
 ACとBD,BDとMN,MNとACの交点をそれぞれ点P,Q,Rとする。
 三角形PQRの面積を求めよ。

解答

10/7cm2

解説

ACの中点を点Sとすると五角形MSNCD=35cm2
□MPNSは平行四辺形より、△NSR=△MPR=5/2cm2
よって、AP:PR:RS:SC=3:2:2:7
ACとMTが平行になるように、DQ上に点Tをとると、AP:MT=2:1
よって、MT:PR=MQ:QR=3:4
ゆえに、(5/2)×(4/7)=10/7cm2

正解者一覧

第15問正解者
順位 お名前 回答日時
kasamaさん 2008年4月19日 (土) 午前2時19分40秒
uchinyanさん 2008年4月19日 (土) 午後11時50分33秒
nakakunさん 2008年4月20日 (日) 午前2時58分34秒
すぐる学習会さん 2008年4月20日 (日) 午前7時40分33秒
kataさん 2008年4月20日 (日) 午後7時22分28秒
NNさん 2008年4月22日 (火) 午後7時24分48秒
ひぐりんさん 2008年4月23日 (水) 午後3時11分54秒
水田Xさん 2008年4月24日 (木) 午前9時6分0秒
Mr.ダンディさん 2008年4月25日 (金) 午後6時35分1秒
10 牡蠣さん 2008年4月25日 (金) 午後7時18分28秒


第16問からは、こちら